クリスマスイブによせて
何年前のクリスマスイブだろう。
6畳一間のぼろアパートに住んでいた僕は貧しいながらもささやかなクリスマスイブを過ごそうと
当時付き合っていた彼女と少しのご馳走とお酒を用意した。
さぁ食べようかとした時、トントンとドアをノックする音が。
「西川~、いるかぁ~」と野太い声。
ドアを開けると満面の笑みの先輩。
「メリークリスマス、西川っ!」
手にはさつま白波 五合瓶。
先輩はスポーツマンで男前で頭がよくて。面倒見が良くてお人よし。
でも少し間が抜けていて、涙もろくて、おっちょこちょい。僕の憧れでありました。
「一人やと思って来たんやけど」
気ぃ使わんといて下さい、さぁ、どうぞ、どうぞ。
こたつの上にさつま白波。そしてポット。当然湯呑み。クリスマスとは程遠いアイテムが勢揃い。
三人でそれはそれは楽しいクリスマスイブになりました。
その後、先輩は就職で四国に行って、一度会いに行ったきりになってしまっています。
先輩、元気ですか?
僕は相変わらずです。先輩に怒られそうなくらい変わってないです。
クリスマスが近づくと決まって先輩とさつま白波を思い出します。

