思い出は雪のように
彼が初めて店に来たのは何年前なのだろう。その時、彼はまだあどけない笑顔で学生服を着ていた。
そんな彼が今朝、白い車に乗って黒いスーツに赤いネクタイ姿で店にやって来た。
そうか、今日は成人式なんだ。
数年前(?)、たしかに僕にも成人式はやってきた。当時からヘンコだった僕は式には出ずに
歌を歌っていた。その日もたしか雪だった。
今日も朝から雪。
降りしきる雪を見ながら、宙ぶらりんで何一つまともに出来ない自分に気づきもせずに、
かなう訳ない馬鹿げた夢を大声で語る二十歳の僕を思い出した。
あれだけ降っていた雪も今し方止み、少し晴れ間が。
さぁ、嫌な思い出は雪解け水と一緒に流して新成人に負けんよう頑張りますか。

